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中世ヨーロッパ史に関する個人的覚書
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amazonのマーケットプレイスで出品されてた「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」。
中世にどうやら実在したらしい伝説の放浪者ティルが、高慢な職人親方や貴族・王族を面白おかしくからかって回る話です。
とは言え、このティルは鼻持ちならない親方や旅籠の犬をあっさりと殺す辺り、犬好きとしては到底看過出来ぬところもありますが。犬に罪はねぇだろ。

と、小説にキレてもしょーがないので軽く解説します。
ティルは親方にこき使われる遍歴職人の意識の象徴のような位置づけで、当時の社会に蔓延していた親方と遍歴職人の対立関係が背景にあるわけです。
こういう前提で見ると、親方に雇って貰えないどころか、犬をけしかけられて追い払われる遍歴職人の姿などが浮かび上がって来るわけです。

この本の面白いところは、ほとんどの話に阿部謹也による注釈や解釈が書かれており、↑のような当時の生活様式や常識などがかなり詳細に説明されている事。
一番興味の強い遍歴職人に関する描写が豊富にあると言う事なので、しばらく探してました。

この本が手に入った事で、今探してる本はグリム・ドイツ伝説集の上下巻のみと言うことになります。
あと4年で初版発行から200年経つので、記念に再販とかしないでしょうかね?
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凪茶(ニャギ茶)
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くたばり損ないの猫
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ドイツとイギリス
自己紹介:
ドイツ・イギリスを中心に中世ヨーロッパの生活習慣、民俗学などを勉強しています。
最近はブリュ物語の翻訳ばかりやってます。
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